音楽で記憶がよみがえる理由(1)
盆踊りの季節に想うこと
8月もあっという間に終わりが近づいてまいりました。
昨日今日と、地元では盆踊り尽くしです。
私は幼い頃から盆踊りが大好きで、
大人になってからは地元の踊りの先生にご指導いただく機会を得て、より一層、「夏=盆踊り」が定着しました。
さらには「この楽しさをみんなとも味わいたい」と思うようになり、勤務校でも7月になると盆踊りを扱うようになりました。
始めは「えー踊り苦手ー!」などと言って戸惑う生徒達も、大まかに振りを指導して音楽をかけると…あら不思議。
みんなニコニコで踊り、大いに盛り上がります^^
普段は整然と机と椅子が並ぶ音楽室で
それらをすべてどかし、みんなで丸くなって踊る…
生徒達には相当インパクトがあるようで…
過去の教え子たちに久しぶりに再会すると
「先生、みんなで盆踊り踊ったのがすごい楽しかったー!」
と言ってくれることが多々あり、
それを聞くたびに「盆踊りを扱って良かったなぁ」と思います。
(必ず盆踊りの歴史や背景を学んでから実際に踊ります)
さて…
なぜ私は盆踊りが好きなのでしょうか。
盆踊り会場に到着して、流れてくる音楽が聴こえてくるだけで
私のココロは「ブワッ」と高まるというか…。
「感動」という言葉だけでは言い表せない、なんとも不思議な気持ちになります。
それは…
「うれしさ」「わくわく」「切なさ」「尊さ」
が混ざり合った感情。
その
なんともいえない感情
を味わいたくて、
毎年盆踊りに足を運ぶのです。
ではこの
「混ざり合った感覚の正体」
は一体なんなのか!
自分の気持ちを辿っていくと…
それは「過去の記憶」。
「うれしさ」「わくわく」「切なさ」「尊さ」の感情の源には
【過去の記憶】
➀今は亡き祖父と踊った記憶 →「うれしさ」「わくわく」
②昔、家族でウキウキお祭りに向かった記憶 →「うれしさ」「わくわく」
➀②の思い出が脳内を駆け巡った次の瞬間、
今度は、
【現在の自分の想い】
③昔のかけがえのない想い出→「尊さ」
④今は会えない家族への寂しい想い→「切なさ」
⑤今もこうして平和に踊れる喜び→「うれしさ」「わくわく」
⑥知らない人達とも、みんなで同じ曲を踊ることができる喜び・感謝→「尊さ」「うれしさ」
このように…
【過去の記憶】がよみがえってきて、そこから派生して【現在の想い】と結びつき
「なんともいえない感情」が生まれるんだなぁ、と思いました。
そしてさらに興味深いのは…
音楽を聴いた瞬間というのは
「情景(視覚的なイメージ)の記憶」がよみがえる
それよりも先に、
その記憶の情景の際に自分が感じていた【感情】の方が
条件反射的に(即ち理性で考えるよりもほんのちょっと先。瞬間的)に
よみがえってくるな…ということです。
(それが「ブワっ」とよみがえる感情の正体)
(つづく)
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