一期一会(2)
今日、この出会いを大切に
(前回の続きです)
とある日、
いつものように放課後、作法室に集まり「さて今日はどの掛け軸を…」と先生に伺うと、
八藤先生が「今日はこれにしましょう」と言いながら、掛けてくださった掛け軸。
それが「一期一会」でした。
先生が言葉の意味について、いつものようにゆっくり丁寧に説明してくださり…
それを聞いた上で、改めてその掛け軸を眺めると、
「…良いことばだな…。この言葉はとても大切な言葉だ。ずっと覚えていよう」
そんな気持ちになり、意識してその時この言葉を心に刻んだ記憶があります。
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さて、
この「一期一会」という言葉の意味、
みなさまもご存じの通り
「今この時、この会(出会い)は一生に一度のものだと思って大切にしよう」という意味です。
もともとは千利休の弟子、山上宗二が記した『山上宗二記』に書かれた一文からきており、江戸幕府大老で茶人でもあった井伊直弼が、さらにこの言葉を広めました。
井伊は著書『茶湯一会集』の中で
「そもそも茶の湯の交会は、一期一会といひて、たとへば、幾度おなじ主客交会するとも、今日の会に再びかえらざることを思へば、実にわれ一世一度なり。」
(たとえ同じ人と何度も茶会で同席する機会があっても、今、この時の茶会は一生にその日ただ一度のこと。二度と同じ時に戻ることはできない。だから一回一回の出会いを心を尽くして臨まなければならない)
と述べています。
このことは茶の湯の世界だけに限ったことではありません。たとえ毎日顔を合わせる家族や友人、仕事仲間であっても、その日その時の出会いは一生に一度だけで、二度と同じ日や機会が戻ってくることはない。だからこそ、この一瞬を大切に思い、心を尽くして接しよう。ということ。
…なんだか堅苦しい文章になってしまいましたが、
私はこの「一期一会」という言葉の精神を、自分なりに取り入れたい…!
一回一回のレッスンを大切に、生徒さんと向き合いたい。
これは双方が「堅苦しく緊張してレッスンに臨むべきだ」というのでは決してなく、
むしろできる限りリラックスし、生徒さんお一人お一人が「本当の自分」を表現できる場で音楽を楽しめるよう、そのような雰囲気が作れるよう、心を尽くしています。
ご縁があって、Glee Music Schoolで出会えた生徒さん達、
その出会いに感謝し、
ありがたい一瞬一瞬を大切に、レッスンの時間を共に過ごしていきたい。
この「一期一会」の言葉をきっかけに、私なりの想いを綴らせていただきました。
(なんと!この記事を書いている途中、なにげなく部屋の片付けをしていたら…なんと偶然、高校時代に八藤先生からいただいた一期一会に関するプリントが出てきました。左に書かれた文字は先生の直筆です。)
今日も最後までお読みくださり、ありがとうございました。
子どもも大人も楽しい音楽教室
Glee Music School(グリーミュージックスクール)
西武池袋線 小手指駅より徒歩8分(650m)