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Trial Lesson & Counseling

一期一会(1)

先生と過ごす放課後のひととき…

一期一会(いちごいちえ)という言葉をご存じでしょうか。

私はこの言葉を高校時代に知りました。


そう。
あれは毎週月曜日に行われていた茶道部でのこと…

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校内にある唯一の和室だった作法室。
そこに私を含め3人の部員が集まり、先生のご指導を受ける…。

当時、茶道部の指導をしてくださっていた八藤輝子先生(社会科)は、茶道をこよなく愛していらっしゃる先生でした。茶道部の道具類は先生がご自宅から持ってきてくださった私物もとても多く、部費だけでは道具がなかなか揃わない茶道部のために、ご自身の貴重なお道具を惜しみなく使わせてくださったのを今でもよく覚えています。

八藤先生+3人の部員。


けっして広くはないけれど、居心地の良い…放課後の西日を感じる作法室でのひとときは、
今でもしみじみと思い出す、自分にとって大切な人生の一コマです。

部員がたった3人だなんて、茶道部存続の危機でもあるのに
こじんまりとした作法室にはこの人数がなんともちょうどよくて
「無理に部員を増やさなくても良いのでは…」
と思えるほど。

それだけ「先生と部員3人」の時間は、居心地がよくて贅沢な空間でした。

さて、

茶道部では「お茶をたてる」だけが活動ではありません。

その日の掛け軸を何にするか決め、そこに書かれた言葉の意味に想いを馳せたり…


先生が床の間に飾ってくださった季節のお花を眺めたり…


お茶をたてる前の、こうした準備もとても大切でした。

また、お茶をたてた後も、折々に先生のお話があります。

「千利休と茶道にまつわるお話」や「お道具の説明」等々…

いつも丁寧で優しく、静かな口調の先生のお話は、放課後の作法室の空間とぴったり…

私も、他の2人も、先生のことが大好きでした。

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今、改めてこの時のことを思い返してみると
この「空間の準備」から始まり、自然を愛で…
お茶とともに先人たちの想いについてのお話を聞く時間…


こうした時間をたっぷりと味わう八藤先生の茶道部でのご指導は、

茶道はただ「お茶をたててお菓子を食べる」のではない

「お客様をお迎えするおもてなしの心」や「自分の心と向き合い、心を落ち着けて様々なことに向き合う心」を含め、すべてが茶道なのだということを、
(箸が転んでもおかしいお年頃である)高校生の私たちに体感的に教えてくださったのだと感じます。

八藤先生は数年前に他界され、今、この世にはいらっしゃらないけれど
こうして思い返してみると、今の自分だからこそ先生に聞いてみたいことやお話したいことがたくさん。


茶道と音楽、全く違う文化と思われるかもしれませんが、

あの作法室での先生と過ごした時間は、今の「自身の教室のあり方」にも少なからず影響している…


…そんな気がする今日この頃です。

(つづきます)

子どもも大人も楽しい音楽教室
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